【⚠危険】木工での軍手の着用

木工のあれこれ

軽作業や園芸等で重宝される軍手ですが、こと木工においては危険なものになります。
軍手のせいで指が、、、なんてことも全然あるのです。
いやいや、軍手は手を守るためのものでしょ?逆にケガを軽減してくれるでしょと思うかもしれません。
たしかに、鑿や玄能をあつかったり、材木を手で運搬する時はその効果を発揮してくれるかもしれません。
しかし、木工機械を扱う時は凶器へと変貌します。
信じられないかもしれないですが、死亡事故も起こっていることなんです。

最近はDIYブームもあり、知らない方が多くいる印象を受けています。
そこで今回は、なぜ軍手が危険なのか実際の事故を紹介しながら解説していきたいと思います。

実際に起きた死亡事故

【フライス盤での事故】
フライス盤の切削加工時に万力のあたりに散らばっている切粉を手で払っていたとき、手にはめていた軍手がフライス盤の刃物に巻き込まれ、さらに作業服の腕部分も巻き込まれ死亡しています。被害にあった作業員は軍手を2重にはめていたそうです。(https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/sai_det.aspx?joho_no=542

【CNC施盤での事故】
軍手をしてサンドペーパーで研磨作業を行っていたところ、軍手が機械部品に引っかかり、巻き込まれ死亡しています。(https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx?joho_no=101174

これらの事故の詳細は、それぞれのURL先の厚生労働省のページでご確認できます。
この様に、回転する機械に軍手が巻き込まれることによって事故が起こっています。

なぜ軍手は危険なのか?

先ほどの事故事例においても、大きな機械だからでしょ?そんなの持ってないから私は関係ないよと思わないでください。
刃の付いた回転する機械であればもれなく危険です。
つまり、ボール盤や電動ドリルでも事故は起こります。
ある方がボール盤で実験している動画がありましたのでどうぞ↓

骨を想定して、割り箸を入れた時の動画もあります↓

これが自分の指だったらと思うと恐ろしいですね。
そしてこの動画で注目してほしいのは、軍手はほとんどちぎれていないということです。
この軍手の繊維の強靭さゆえにそのまま引っ張られ、指や身体が巻き込まれ事故に繋がっているのです。
また、軍手はほつれがあったり、指に多少の余裕があったりします。
これは、より引っかかりやすく巻き込まれやすいということです。
ホントに軍手と木工機械の相性は最悪なんですよ。
この様なことから、軍手での作業は非常に危険なのです。

規則で禁止されている

これだけ軍手の着用が危険だとわかっているので、国も動いています。
厚生労働省の労働安全衛生規則でしっかりと禁止されているのです。

(手袋の使用禁止)
第百十一条 事業者は、ボール盤、面取り盤等の回転する刃物に作業中の労働者の手が巻き込まれるおそれのあるときは、当該労働者に手袋を使用させてはならない。
2 労働者は、前項の場合において、手袋の使用を禁止されたときは、これを使用してはならない。

出典:中央労働災害防止協会 労働安全衛生規則 第二編 安全基準(第百一条-第百五十一条)

これを見ると、軍手だけでなく手袋の着用自体が禁止されています。
つまり、本来は何も着けてはいけないのです。
しかし、実際の現場では手袋を着用しないことによって巻き込みのリスクは減っても、別の危険性が出てくることがあります。
そのため、実際には作業ごとに臨機応変に使用の選択をしていく必要はあるのです。

この時使用される手袋は、背抜きのゴム手袋が多い印象があります。

手にもフィットしており、軍手よりかは巻き込まれにくいためと思われます。
それでも巻き込みリスクは0ではないので、使用は最小限の方がいいでしょう。
実際に私の弟弟子は、手押し鉋盤という機械を使う際にゴム手袋をつけていたせいで、ゴム手袋が巻き込まれ指を削り落としました。
その影響でイップスになり、ケガをした機械を使えなくなってしまいました。
本当に機械を扱う際は注意してください。

まとめ

今回は木工機械の使用中での軍手着用の危険性をお話ししてきました。
Youtubeの動画の中には、ゴム手袋を着けて木工をやっている動画もちらほら見られます。
素人の方はこれを観て手袋を着けてやってもいい。軍手でもいいと間違って認識しないように注意してください。
また、危険がなければ極力素手での木工をおすすめします。
手で触れる経験を重ねることによって、手の感覚は研ぎ澄まされていきます。
そうすると、仕上げ面の機微な凹凸もわかってきて、自分の作品もレベルアップするんじゃないかと思うからです。

ただ、木工で一番大事なことはケガをせず作ることです。
木工家には指がない人もいますし、親指が無くなって足の指を移植した人なんかも聞いたことがあります。
私自身も小指を落としそうになったことがあります。
プロでもケガをするのです。(プロだからかもしれませんが、、、)
今回の軍手だけではなく、色々な危険が木工には潜んでいます。
楽しく木工をやるためにも、危険な行為はご自身で把握しておくのがいいと思います。

それではご安全に。

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