メジャーの先端が動く理由

木工のあれこれ

DIYでもよく使うメジャー。
100均でも売っています。

そんなメジャーですが、先端がカチカチと動くものがありますよね。
100均だから作りが甘いんだろうなと思うと、1万円のものでも動きます。
つまりこれは、メジャーメーカーの技術力が低いのではなく、わざと動くように作ってあるのです。
そこで今回は、この動く理由についてお話ししたいと思います。
理解を深めるために、メジャー・巻き尺・コンベックスの違いも簡単にお話しします。

メジャー・巻き尺・コンベックスの違い

「メジャー」「巻き尺」「コンベックス」。
これら3つは混同されがちですが、正確には違いがあります。

そこで、先端が動く理由を話す前にこの違いについて簡単にお話ししたいと思います。

まずは一番よく聞くであろうメジャー。
これは、目盛りが振られた帯状の測定器の総称をいいます。
つまり、これらの中に巻き尺とコンベックスが含まれます。

次は巻き尺。

巻き尺は帯状部分が布・革・鋼等でできており、平らになっています。
そのため、曲線等の円形が測りやすくなっています。
スーツ屋に行くと店員さんが肩幅を測る時に持っているものが巻き尺ですね。

もう一つのコンベックス。
これは聞いたことがない方もいるかも知れませんね。

上の写真を見るとわかるかもしれませんが、普段みなさんがメジャーと言っているものがこれにあたると思います。
コンベックスは、帯状部分が金属製で断面が湾曲しています。

そのため、高さ方向に伸ばしても折れることがなく、直立性に優れています。

先端にはひっかける爪部分もあります。
つまり、メジャーの中でもコンベックスが先端が動く仕様になっているのです。

先端が動く理由

動く理由は非常に簡単です。

コンベックスで物を測る方法には2つあります。
1つが先端を引っ掛けて測る方法。


もう1つが先端を押し当てて測る方法です。

同じものを測れば、どちらも同じ寸法になります。
上の写真でもどちらも20cmになっています。
しかしこれよく考えると、おかしなことなのです。
なぜなら、先端爪の部分に厚みがあるので、その厚み分寸法がずれるはずなのです。

爪の厚みを測ってみたら1mmの厚みがありました。

つまり、測り方で1mmの寸法差が出てきてもおかしくないのです。
しかしこの先端、動きますよね。

そう。
この動きによって寸法差を解消しているのです。

コンベックスは、爪の厚み分先端が動くので、2つの測り方で同じ寸法がでるのです。

考えてみればとても簡単な理由だったんじゃないでしょうか?
普段何気なく使っている道具も、色々と考えて作られているのですね。

スポンサーリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました