柄が曲がっている玄能。その理由とは??

木工のあれこれ

玄能(いわゆる金槌)の中には柄が曲がっているものがあります。
これは別に製造の工程で失敗したからではなく、ちゃんとした理由があります。
今回はこの曲がっている理由について簡単に説明したいと思います。

曲がっている理由

柄が曲がっている玄能のことを、曲がり玄能と言います。
そのままですね。

この曲がっている理由ですが、1度でも使ったことがある人ならわかると思いますが、打ちやすく、打ち込む時に力が伝わりやすいです。


同じ位置に振り下ろした時に、玄能の頭がより下にあるということは、重心がより頭部にあるということです。
それによって、打った後の跳ね返りが少なくなり、力が伝わりやすいです。

ただ、これだけなら頭を同じ位置まで振り下ろせば変わりないっちゃ変わりないです。

しかし、曲がり玄能にはもう一つ利点があるのです。
それは、玄能を持った時に瞬時に「木殺し面」を判断することができます。

木殺し面ってなに?って人のために説明しますと、玄能には直線の面と曲線の面があるのです。

この曲線の面の方を「木殺し面」と言います。
この面は、木を一時的にへこませたい時などに使います。
曲面で叩くことにより、繊維を切らずにへこませることができるのです。

曲がり玄能は柄が曲がっているため、木殺し面の上下により頭の位置が変わってきます。
つまり重心の位置が変わります。

そのため、持っただけで今どちらの面が下を向いているのかわかるのです。
持ってみてもらうとわかるのですが、全然重さの感覚が違います。

わざわざ目視で確認する必要がないため、作業がスムーズに進みます。
1回1回確認するのって結構煩わしいんですよね。。。

簡単でしたが、これらの理由で曲がり玄能が存在しているのですね。

・打ち込む時に打ちやすく、力が伝わりやすいため。

・瞬時に木殺し面を判断できるため。

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