ノギスの原理

木工のあれこれ

木工をやる上で絶対に欠かせない道具『ノギス』。
対象の寸法を測定する器具です。

また、ノギスにはバーニア(副尺)目盛りがついており、この数値を読み取ることにより、より細かな寸法まで追うことができるようになっています。

しかしノギスを使ったことがある方ならご存じだとは思いますが、このバーニア目盛りの読み取り方って少し特殊ですよね。

そして、なぜこんな読み取り方で寸法が出るのか不思議にお思う方もいらっしゃるのでは?
ネットで調べると記事はたくさん出るのですが、3行以上の問題文を読めない私には全文読む前に自然と戻るボタンに手が伸びています。

そこで今回は、できるだけ難しい言葉を使わずにノギスの使い方やバーニア目盛りの原理を説明したいと思います。

ノギスの使い方

バーニア目盛りの原理を説明する前に、ノギスの使い方を説明しておきましょう。
ノギスの使い方を知っている方は飛ばしてもらって大丈夫です。

ノギスは
①厚み
②幅
③深さ

この3つを測定することができます。
そしてそれぞれを測る時、ノギスの使う箇所が変わってきます。
対応するのはこんな感じ。

これだけじゃわからない方もいるかもなので、実際にそれぞれの箇所を使ってみましょう。
ちょうど良さそうな升がありました。

これの外寸をノギスで測るには①の部分を使ってこうです。

これで目盛りを読めば升の外寸がわかります。

次に升の内寸を測るには?
①を使っても測れなくはないですが、技術がいりそうですね(笑)

そこで②を使います。

これで簡単に内寸が測れます。

最後に升の底板までの深さを測りましょう。
ただ、①や②じゃうまく測れなさそうなのは想像できるんじゃないでしょうか?
上手く挟めなさそうですもんね。
そこで、③を使います。
③はノギスを開くと、尻尾が出てくるようになっているのです。

この尻尾を使って深さを測ります。
尻尾をいっぱい出してあげて、ノギスの本体が対象にぶつかるまで下げていきます。

身長を測っているのと同じ原理ですね。

この時の目盛りを読めば、底板までの寸法がわかります。

では最後に、目盛りの読み方も説明しておきましょう。

ノギスには本尺と副尺(バーニア目盛り)があります。

副尺の0のある位置が読み取る位置となります。
つまり、5mmと6mmの間に副尺の0があったら、5.○○mmとなります。
副尺の0は本尺を指し示す矢印と思ってもらえばいいのではないでしょうか。

さて、ここまでは感覚でもわかるとは思いますが、次の副尺の読み方が少し特殊なのです。
副尺は、本尺と副尺の目盛り線が一致している数字になります。

どういうことかわからない方もいるかもなので、実際に読み取ってみましょう。

上の画像の寸法は、副尺の0が8mmと9mmの間にあるので、8.〇〇mmということまではわかりますね?
次に本尺と副尺の目盛り線が一致しているところはどこでしょうか?
画像なので皆さんは少し見にくいかもしれませんが、副尺の7と書いてあるところが一致していそうです。
そうなるとこの時の寸法は、「8.70mm」となるということです。
これが、副尺の3と4の間の目盛りと一致していた場合はどうなるかというと、
「8.35mm」となります。

つまり、目盛りが一致している箇所を読み取り、そのまま数値を後ろに付けてあげればいいということです。

ちなみに、目が慣れてなくて5.3なのか5.35なのかどっちかわからないという場面が出てくることがあるかもしれませんね。
その時は、家具作りであれば気にしなくていいです。
好きな方を選んでください(笑)

家具作りにおいて精度の必要なところでも、基本0.1mmまでしか見てないです。
それを踏まえて、0.05の目盛りを無視すると格段にノギスの読み取るスピードは上がると思います。

バーニア目盛りの原理

ノギスの寸法の読み方はわかったと思います。
では、なぜ本尺とバーニア目盛り(副尺)が一致している数値が寸法になることができるのでしょうか?

それは、目盛りのずれ量から読み取っているからです。

と言葉で説明してもチンプンカンプンでしょう。

でも安心してください。
これらを理解するための教材を作ってくれている方というのがちゃんといます。
実際自分も訓練校時代は、この教材で教えてもらいすごい納得できたものです。

教材はこのサイトでダウンロードできます↓↓
https://gijyutu.com/main/archives/636

教材はこんな感じで、目盛りが描いてあります。

上が10間隔で下が9間隔です。
上の0~10の間はわかりやすくするため10等分された目盛りが割り振られています。
また、下の目盛りは1、2、3、、、と9の倍数ごとに数値が割り振ってあります。

この上下の目盛りが、ノギスの本尺とバーニア目盛りに当たると考えてください。

では、本尺の目盛りとバーニア目盛りの0値を合わせてみてください。
1分の目盛りを動かしてみましょう。

そうすると上のようになりますよね。
何か気づきませんか?
そうですね。
バーニア目盛りで1を割り振った値と本尺の10の目盛りが一致していますね。

では、次に6分の目盛りを動かしてみると、

同じようにバーニア目盛りの一致したところが一ヶ所出てきますね。
しかも、6動かしてバーニア目盛りが6の所で一致するようになっています。
後はダウンロードしてご自身でやってもらえばわかるのですが、動かした目盛りの数値とバーニア目盛りに割り振ってある数値が一致するのに気づくのでは?

これがノギスの原理なのですが、ここまでの説明じゃ理解できない人もいることでしょう。

そこで理解するために、逆転の発想をしましょう。

『どうすればバーニア目盛りと本尺が一致するのか?』です。

本尺は10の倍数になってます。
その状態で、特定の目盛りxを進ませた時に本尺とバーニア目盛りが一致する時は?
xとバーニア目盛りを足した値が10の倍数になれば本尺(10の倍数)と一致しそうですよね。
つまり

x+9x=10x

ということです。

そして、特定の目盛りxと9xが一緒の値であれば、非常に便利じゃないですか?
つまりこう「x=9x」となるように9の倍数ごとにバーニア目盛りを割り振ってあげるのです。
こうすることにより、本尺での最小目盛りからずれの量(x)を読み取ることができるのです。

これがノギスの原理の全貌です。

どうでしょうか?
かなりかみ砕いて説明したつもりですが、逆にわかりにくかったなんて言う人もいるかもしれませんね。
その方はすいません。。。
もっと理解を深めたいという方は、ノギスの原理を詳しく紹介しているブログはネット上にたくさんあるので、色々と調べてみてください。
基礎的な部分を今回で理解できているので、以前よりかは他記事が理解がしやすくなっているのではないかと思います。

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