木工での接合の方法は、ホゾを使ったり、ビスを使ったりと様々な方法があります。
その接合の補助として頻繁に使用されるのが接着剤です。
強力な接着剤を使えば強度も増してくれるので、木工には必要不可欠なものになります。
そんな接着剤を使うときに必ず行わなければいけない工程の一つが、はみ出た接着剤のふき取りです。
このふき取り作業ですが、皆さんが思っているよりも重要な工程になります。
これをおろそかにしてしまうと、商品のクオリティはダダ下がりです。
今回はそんなふき取りについてのお話です。
なぜふき取りが重要なのか
白ボンって乾くと透明になりますよね。
透明になるので一生懸命ボンドを拭わなくてもよくないって思いません?
たしかに白木のままであれば、これでも大丈夫の場合もあります。
しかし、塗装する場合は話が変わってきます。
見えなくても接着剤が着いているということは、木の表面に塗膜ができているということです。
つまり、接着剤が付着した部分だけ塗料が全く載らなくなるのです。
言葉で説明されてもよくわからない方もいると思うので、実際にボンドをふき取らずにオイルを塗るとどうなるのかを見てみましょうか。
家に在った端材に接着剤をつけたまま乾かしてみました。
一部分だけ色が変わっているところがありますね。
これが接着剤がついている所です。
では、これにオイルを塗ってみます。
どうでしょうか??
一目瞭然ですよね。
接着剤がついている所はオイルが全く浸透しないため、艶が出ません。
オイル仕上げならこの状態から部分的に直して、何とかごまかすことができます。
しかし着色だった場合は、全てやり直しです。
そうなったら、もう泣きわめくしかありません。
水拭きも均一に
ここまで見てくれば、接着剤を残さないことの重要性はわかったと思います。
それを理解したうえで、接着し塗装してみましょう。
どうでしょうか?
オイル仕上げの人はいい感じにできるでしょう。
しかし、着色した方は色ムラが出てしまったという方もいるのでは?
実際私も色ムラが出てしまいました。
これは筆者の腕がないからだろと思った方もいるかもしれません。
しかし実はこれ、プロの塗装屋にお願いして塗ってもらったものです。
塗装屋の腕が悪いと言われたらそれまでですが、他の部分を見る限り、腕が悪いと言うのは少し考えにくいかなと。
この原因を塗装屋さんに聞いてみると、水拭きが大きく関係しているとのこと。
着色塗装の場合、水で濡れた所と濡れていない所で色の出方が変わるそうです。
つまりこれは、接着剤を取る際の水が原因となっているということです。
たしかに写真を見ると、接合部付近でムラが出ています。
これを改善する方法としては、接着剤を取るための水回しを部分的ではなく、全体に回してあげることです。
これにより、色の発色の誤差が小さくなります。
このように接着剤のふき取りでは、接着剤をキレイに取るだけではなく、ふき取りに使う水の回し方についても気を配る必要があるのです。
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