日本は古くより木工が盛んな国です。
そして木工と一言で言ってもその中には色々な手法があります。
今回はどんな種類があるのか簡単に紹介したいと思います。
8つの種類
木工の基本的な手法は以下の8種類です。
・指物(さしもの)
・彫物(ほりもの)
・刳物(くりもの)
・曲物(まげもの)
・挽物(ひきもの)
・箍物(たがもの)
・編物(あみもの)
・建具(たてぐ)
木工初心者の方はほとんど聞いたことがないものばかりだと思います。
それではそれぞれについて簡単に説明していきたいと思います。
指物(さしもの)
指物とは、机や箱、箪笥など板を組み合わせて作った家具や器具のことです。指物で製作された木工品は金釘等の接合道具を使わずに組み立てられています。
「江戸指物」や「京指物」なんかは聞いたこともあるのではないでしょうか。
指物を作る職種には、指物師や家具職人、大工等がいます。
彫物(ほりもの)
彫物とは、彫刻による成形又は加飾の技術で作ったものです。
仏像なんかもこれにあたります。
彫刻刀や鑿、小刀等の道具を使用して彫刻していきます。
彫物を作る職種には、仏師や彫刻家、彫師等がいます。
刳物(くりもの)
刳物とは、手道具などを使って木を刳り抜き、自在に形を削り出すものです。
製品としては鉢、皿、椀のような容器を木で作ったものになります。
椅子の座彫りを複雑な形にしたい場合は、この技術を取得する必要がでてきます。
刳物を作る職種には、漆器職人や小物作家、家具職人等がいます。
曲物(まげもの)
曲物とは、スギやヒノキ等の薄板を湯で曲げ加工して容器としたものです。
曲げわっぱは曲物の代表的なものの一つです。
曲物を作る職種には、曲物師等がいます。
挽物(ひきもの)
挽物とは、ろくろや旋盤で器物を作ることです。
単純な形の器や脚物の脚なんかを作ります。
挽物を作る職種には、漆器職人やこけし職人、小物作家等がいます。
箍物(たがもの)
箍物とは、桶や樽など木片を輪状に並べ、これを箍で締めて底をつけた容器のことです。
箍物を作る職種には、桶職人や樽職人等がいます。
編物(あみもの)
編物とは、竹細工のように薄い木片で編んだものです。バックやコースター等の商品が見られます。
編物を作る職種は、小物作家等がいます。
建具(たてぐ)
建具とは、戸や障子、襖等の屋内に取り付けて開閉や取り外しができるもののことです。
指物と一緒くたにされることが多いです。それは建具職がもともと指物師とも呼ばれていましたことからだと思われます。
また建具は、年に1回ほど全国建具フェアという展示会が行われており、素晴らしい作品が多く展示されています。予定が合えば行ってみると勉強になります。
建具フェアの様子
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第52回 全国建具フェアに行った話
建具を作る職種は、建具職人や大工、指物師等がいます。
出典・参考・引用
独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構 職業能力開発総合大学校 基盤整備センター『職業訓練教材 木工材料』(改定3版6刷) 一般社団法人 雇用問題研究会 2017年
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