先日、中古でマキタのマルノコ盤(2711)を購入しました。
Amazon等のレビューを見ると評価が高いが、私も一応はプロの木工家。
現状で使うには使いにくいと思う所がやはり出てくるのです。
しかし残念ながら、ネットでは改造した記事はほとんど出てきません。
所有率が低いのが原因なんでしょうかね。
そこで今回は、自分なりに改良したことを備忘録として残しておこうと思います。
ちなみに、改造とかの内部をどうこうするとかいう難しい内容にはなっていないと思います。
改良する点
マキタのマルノコ盤(2711)はAmazonやヤフオク等の様々なサイトで売っています。
まずは、この機械の不満な点を列挙してみます。
①刃口が広すぎて危ないし、薄材を製材できない。
②横切りと兼用で刃の交換頻度が高いのに、毎回刃口のねじ止めをするのがめんどくさい。
③横切りのあて(傾斜定規)に溶接でできた焼け跡があるので、材料を正確に固定できない。
④傾斜定規がそもそも矩手が出ていない。
⑤横切りを使用する場合、引ける限界の仕様上、幅約350mm以下のものしか切れない。
⑥昇降盤の目盛りなんていらないから、傾斜定規の方に参考目盛りをつけてほしかった。
⑦平行定規の寸法の微調整が難しすぎる。
⑧平行定規の高さが低い。
とまあ、こんなところでしょうか。
ほとんどがこの機械の構造上?仕方がないことですが、③と④については普通におかしいですね。
やはり、DIY用と言った所です。
上記全ての不満点をなくすことはできませんが、極力使いやすくなるように改良していきます。
本記事で改良する所は、
・平行定規を高くする。(中古購入時点で改良済み)
・刃口を新しく作り直す。
・作業場内で簡単に動かせるようにキャスターをつける。
・傾斜定規を作り直す。
*この記事を参考にしたことによる、損失やトラブルについては一切責任を負いかねます。
平行定規を高くする
平行定規については、中古を購入した時点でフェンスが付けてありました。
作り方としてはボルトで留めてあるだけなので、説明もほぼいらないでしょう。
このフェンスのおかげで、高さの高いものを安定して通すことができます。
また、部材の端から1~2mmの箇所にもフェンスを犠牲にすることで刃を入れられます。
刃口を新しくする
(*製作過程の写真を撮り忘れたので、完成品で製作過程を撮り直しています)
不満点①と②を解消するために刃口を作り直します。
(割り刃をつけたい場合は今回紹介する方法では無理です。)
元の刃口はかなり隙間があります。
このせいで、ハナギリした材料がすごい勢いで吸い込まれていくので非常に危険ですし、薄材を製材できませんね。
まぁ、薄材を作らせないためにこんだけの隙間を開けているのでしょう。
素人がやっちゃうと指がなくなる可能性が高いですからね。
ちなみに元々の刃口はこんなので、
受けの部分はこんな感じです。
刃口を乗せることができるのが以下の赤で囲った部分です。
この受けだと、ビスでの高さやガタツキの微調整もできなさそうです。
精度よく作っていく必要アリです。
とりあえず、刃口の外形を決めます。
外形は機械の実寸から決めていきます。
寸法を測ってみた結果、72.5×325×t20で作っていきます。
と言っても、厚み以外は機械にはめて確認しながら最終決定していきます。
ちなみに大きさは、手でスッと入るくらいにしてください。
取り外しがめんどくさいし、割れる可能性があるからですね。
特に梅雨時期は膨らむので、絶対取れなくなります。
外形ができたら、受けになる部分を加工していきます。
まずはビスの所から。
これはよく見ると、斜めになっています。
ただ、斜めの加工なんてめんどくさいので、2段階の掘りにしてあげます。
掘る機械は、トリマーまたはドリルビットで取ってあげればいいです。
次は際の所です。
際は三辺同じように加工していけば良さそうなので、平行定規に当てながら切っていきます。
この時、平行定規にフェンスがついていないと平行定規を傷つける可能性があるので注意してください。
あと、指を入れる穴も開けてあげます。
この穴にひっかけて刃口を取り外しを行います。
最後に、刃の出る部分を作ります。
これは実際に使用する刃で開けます。
刃口を置いて開けれればよかったのですが、私が持ってる刃では無理だったので落とし込みで開けます。
刃は最小まで引っ込めて、刃口を落とし込みます。
落とし込み方が悪いと吹っ飛ぶので注意してください。
落とし込めたら、刃口を抑えながら刃をあげていきます。
これにて完成です。
ちょうどいい嵌め合いや厚みにしてあげればビスで刃口を留めなくてもいいので、刃の交換もよりスムーズになります。
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