家具職人の基本的な販路はどこ?現役家具職人が解説します!

独立

家具職人として独立しようと思った時に気になるのが、販売経路。
個人の家具工房は、どういった所で販売しているのでしょうか?
それぞれの販路のメリット、デメリットと共に紹介していきたいと思います。

この記事を読むと、家具職人として独立した時の販路の参考になります。

基本的な販売経路

まず初めに、ざっと販路を紹介したいと思います。

・身内・友人・知人
・自分のお店
・クラフトフェア・露店
・ショッピングモール
・百貨店
・ネット
・BtoB

では、それぞれについて見ていきましょう!

身内・友人・知人

おそらく一番に思いつくのではないでしょうか?
そして身内であれば、独立したことを伝えると購入してくれることが多いです。
では、この販路のメリット・デメリットをお話ししたいと思います。

メリット

最も身近な販路で、自分の成長ぶりを作品を通して見てもらえる販路となります。
そして独立したては、販路も少ない傾向があるので、貴重な販路となっています。
また自身の友人・知人に20~30代が多ければ、結婚のタイミングと重なるので注文が多く入る可能性があります。

デメリット

家具はリピートが起こりにくいものなので、同じ人に何度も買ってもらうのが難しいです。
そのため、身内や知人に頼るにしても限度が出てきます。
また、値引いたり、原価近くまで値下げして販売することもあるので、利益が出にくくなる販路だと思います。

自分のお店

自分の工房、店舗にお客さんに来てもらいます。
近所の人やたまたま通りがかった人、ネットを見てきた人など様々な人がお客さんになります。
では、この販路のメリット・デメリットをお話ししたいと思います。

メリット

興味があって来てくれるお客さんなので、話がいい方向に進む確率が高いです。
接客にしても、商品1点とパンフレットさえあれば究極対応することができます。
また、売りに行く必要がないので、製作に時間を割くことができます。
そして一番のメリットは、お客さんとの間に何も挟んでいないのでマージンが発生しないということです。

デメリット

近所の人や通りすがりで入ってきてもらうために、工房を綺麗にするか、ショールームを作ったり駐車場を整備してお客さんが入りやすい店づくりをする必要があります。
また、家賃の関係で入り組んだ場所や、山奥などの辺鄙へんぴなところに工房があるとお客さんはほぼ来ません。
そして、一度店を構えてしまうとすぐに別の場所に移るということはやりにくいので、慎重に決める必要があります。

クラフトフェア・露店

全国で定期的に行われている販売会や観光地にある露店等ですね。
趣味でやっている作家さんも多く参加しています。
出展ハードルとしては低く、副業でやっている方には良い販路だと思います。
では、この販路のメリット・デメリットをお話ししたいと思います。

メリット

全国で定期的に開催されているので、予定を立てやすいです。
自分の店の知名度を広められますし、木工好きのお客さんも来るのでファンを獲得しやすいです。
出展料は売り上げに対するマージンではなく、定額の所が多いので、売れれば売れる程利益が取れます。
また現金手渡しなので、その日のうちに売り上げを持って帰れます。

デメリット

素人からプロまで競合が多い中、安い木工小物で利益を上げようと思うと、販売力がないと十分な利益を出せないと思います。
また、人気なイベントだと審査があるので、審査に合格しないと販売はできません。
古参の方が入りやすくなっているので、すでにある商品と似通ったものだと通りにくいかもしれません。

ショッピングモール

1週間や2週間など期間を決めてイベントスペースで販売します。
基本的には、仲介業者に間を取り持ってもらって出展させてもらいます。
では、この販路のメリット・デメリットをお話ししたいと思います。

メリット

木工に興味がない人もいるので、広く自身の店を認知してもらえます。
展示スペースがある程度確保されているので、使用感をお客さんが理解しやすいです。
また販売会中、同じように売りに来ている方もいるので、様々な業種の事業主とも知り合えます。
お客さん側にもメリットがあり、知らない店で買うよりもショッピングモールで買った方が安心感があり、クレジットカードも確実に使えます。

デメリット

高級志向のお客さんに会える確率が低いので、高級品はなかなか売れません。
販売スペースを埋めるだけの商品が必要で、在庫が少ない場合販売会前は製作で忙しくなります。
そして、期間中は販売員として駆り出されているので期間中は作ることができません。
また、搬出・搬入を自身で行うので、大物家具を販売する場合は人手を雇う必要が出てきます。
販売力がなく、売り上げ0を出してしまった場合は大赤字となります。

百貨店

ショッピングモールと同じ要領になります。
私が修業していた工房のメインの販路でした。
では、この販路のメリット・デメリットをお話ししたいと思います。

メリット

ショッピングモールでのメリットはほぼ享受できます。
それと同時に、高級志向のお客さんが比較的多いため、高級家具も売りやすいです。
実際、1週間で500万円売る家具屋さんも見たことがあります。

デメリット

ショッピングモールでのデメリットとほぼ同じです。
それと同時に百貨店はかなりシビアで、売り上げが悪いと二度と呼ばれなくなることもあります。
そして、都内の大手百貨店等での販売枠は競争率も高く、マージンも高くなっています。

ネット

ホームページや販売サイト、SNSを使って商品を販売します。
では、この販路のメリット・デメリットをお話ししたいと思います。

メリット

誰でもすぐに始められるので、販路を拡大したいと思った時に役立ちます。
やり取りもメールで完結することもできるので、話すのが苦手な方にはありがたい販路となっているでしょう。

デメリット

実際に目で見て作品を購入していないので、返品クレームが起きないようにしておかないといけません。
そして、誰でもすぐに始められるため、競合が一番多い販路になるでしょう。
ネット広告や宣伝を頑張らなくては、埋もれてしまうことになります。

B to B

今までは直接お客さんに売る販路でしたが、企業や会社が取引先となります。
直接自身で営業をかけたり、ホームページを作っておくと依頼が来たりします。

メリット

個人のお客さんと違い莫大なお金が動くことが多く、継続した仕事ももらえます。
またその取引が大手企業や有名企業だった場合、実績として積み上がり、お客さんの信用も自然と上がります。

デメリット

スケジュール管理をしっかりとできる人でないと地獄のような忙しさになります。
また聞いた話によると、下請の場合は稀にめちゃくちゃな図面や費用で仕事がくることもあるそうです。
そして、下請仕事は、断るとその会社からは二度と来なくなることもあるので、断る際も熟考してから断る必要があります。

まとめ

今回は基本的な販路を紹介しました。
各々で向き、不向きがあると思うので、ご自身の性格と照らし合わせて参考にしてください。
また、これら以外にもいい販路をご存知でしたらコメントや連絡を頂けるとありがたいです!

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