個人工房への弟子入りについて【筆者の見解】

独立

どうも。
世界104でし万人の手に職をつけたいみなさん。

みなさんには憧れの職人さんはいるでしょうか?
憧れですから、その方と同じような技術を身につけたいと思うことでしょう。

その時、技術を上げる手段として考えられるのが本を読む、ネットで調べる、講習を受ける等々、様々な方法があります。
そしてその中に、弟子入りをするという手段も考えられるでしょう。

ちなみに筆者も個人の工房に弟子入りし、木工の腕を上げました。

ただ弟子入りっていうとハードルが高そうに感じますよね。
ハードル高そうだから、弟子入りせずに独学で腕を上げていこうと思う方も多いのでは?

別に悪くはないのですが、筆者的には弟子入りするのもオススメです。
そのため、今回は弟子入り修行について体験談を交えながらお話ししたいと思います。


私も弟子入りする時は、許しがもらえるまで毎日のように親方の所に赴き頭を下げていた、、、と言うことは全然ありませんでした。

では、どうやって弟子入りしているのか?
個人工房にて弟子入り修行するメリット・デメリットと共に解説したいと思います。

弟子入りの仕方

弟子入りしようと考えた時、まずぶち当たるのが
「弟子入りってどうやってするの?」
ではないでしょうか?

ドラマ好きな方だと、
親方の所に何度も赴き、「弟子にしてください!!」と懇願するイメージではないでしょうか?

たしかにそういう所もあるのかもしれませんが、一般的には違うでしょう。

弟子入りと言うと何か神聖なもののイメージを持っている方が多いのですが、弟子入り=就職です。
と言うことは、

普通に求人が出ていて、それに応募します。

一般的な就活の仕方となんら変わりません。
求人は直接職業訓練校に来たり、ハローワークにあったりします。
ちなみに、職業訓練校にしか来ない求人も多くあります。

ちょうど弟子の内の一人が独立したから代わりを探している。
事業を大きくしようと思ったので人手が必要になった。
という時に求人が出るので、弟子入りするには運が必要になってきます。

どうしても弟子入りしたい所が求人募集していない時は、ダメ元で聞いてみるのもありでしょう。
熱意を伝えれば、もしかするとがあるかもしれません。

どれくらいの期間弟子入りすればいいの?

結論を先に書くと、1ヶ月でもいいし10年でもいいし自分で決めてください。
一般的に5年くらい弟子入りするというのが木工業界の常識のようですが、いきなり独立する人もいるのに全くあてにならないものですね。
そもそも、人によって習得スピードが違うのに年数が決められているのがおかしな話なのです。

噂ですが、この5年というのは雇い主側が損しないための年数らしいと聞いたことがあります。
技を教えて、身についた技術を会社のために使って欲しいということですね。

ちなみに参考ですが、私の周りは弟子入り期間2~3年くらいの人が一番多い気がします。

弟子入りするメリット

個人の家具工房に弟子入りした筆者が感じたメリットをお話ししたいと思います。

無垢家具が作れる

無垢の家具が作りたいと思った時、大手に就職してしまうと無垢に携わるのが難しい場合が多いです。
多くの企業は、無垢家具だけではなくフラッシュ家具も製作しています。
そして実は無垢は外注だったり、需要や利益の関係でフラッシュ家具がメインであったりすることがよくあります。
大手だと無垢を製作している所が圧倒的に少ないのです。
しかし、個人工房の場合は無垢をメインにしている所が多くあります。
これは隙間産業を狙った結果もあるんでしょうね。

無垢家具を考えた場合、個人工房はどうしても選択肢には入ってくるでしょう。

経営についての知識を得られる

おそらく、個人工房への弟子入りを考えている方は将来的に独立を考えている方が多いでしょう。
しかし独立を考える場合は、物が作れるだけではご飯は食べれません。
製作の腕と経営力の2つが必要になってきます。
その場合個人工房で働けば、どの様な取引先があり、どの様に売り上げを立てているのか、はたまた経営不振の際にはどのように切り抜けていくかを間近で見ることができます。
それらの姿は自分の独立した時の姿に投影しやすいんじゃないでしょうか?
これを参考、または反面教師とすれば経営計画も立てやすいと思います。

また、自分が開業する際に金融機関から資金を借りる方もいるかもしれません。

その際必要になってくるのが事業計画書です。
この計画書では、根拠のある「月間売り上げ」を立てなければいけません。
何も知識がないままだと少し苦労するかもしれませんね。
しかし個人工房での就業経験があれば、経験則から推測しやすいのではないかと思います。
どうせ弟子入り修行するのであれば、技術だけでなく、経営の仕方についてもしっかり見ておいた方がいいでしょう。

仕事内容が分業制ではない

大手や中小企業だと、1つの製品を作るにも分業している所が多いです。
そのため、結局のところ独立しようにも製品の作り方がわからないということが起こる可能性が少なからずあります。

しかし個人の工房あれば、ほとんどの工程に携わることになります。
そして、例え納期の関係で分業になったとしてもすぐ近くで作業をしているので、作業工程は見ることができます。
つまり、学ぶ姿勢を持ちながら仕事をすれば大抵のものは作れるようになるでしょう。

ただ昨今は、ネットで調べれば作りたいものの作り方は簡単に出てきます。
Youtubeなんかでは手元も映っており、わかりやすく解説しています。
調べれば誰でも簡単に情報を手に入れて、作ることのできる時代なんです。
そのため、修業して技術を学ぶことは年々メリットが小さくなってきているかもしれませんね。

同業者と出会える

個人事業主が生き残るためには、横の繋がりが非常に大事です。
仲の良い工房同士で仕事を回し合ったりもあります。
たまに一匹狼タイプであると、横の繋がりがない場合もありますが。

実際私の修行先は横の繋がりはほぼ皆無でした。

ただ、修行先の親方にはなくても私自身にはありました。
個人の工房で働いていると同業者に会うことが多くあるのです。
その繋がりをどうするかは結局自分次第というわけです。

応援してもらえる

弟子入りしていることや独立するために頑張っていることを話すと、応援してくれる方が多いです。
それは親や友だちだけでなく、お客さんや取引先、販売先で知り合った業者さんなんかもそうです。
「頑張って!」と言ってもらえるだけでも嬉しいのですが、アドバイスをくれたり、仕事を回してくれたりと世話まで焼いてくれる方もいるんです。
応援してもらえると、改めて気持ちが引き締まりやる気も向上するので本当にありがたいことなのです。

失敗しても怒られるだけで済む

これはいきなり独立しない場合の一番のアドバンテージじゃないでしょうか?
作るのを失敗してしまったり、時間をかけて物を製作しても親方や上司が責任を取ってくれます。
自分の工房であれば、失敗したものはそのまま赤字になるし、時間をかけるほど物の単価が上がっていきます。
つまり、明日のご飯を気にせずに自分の腕をあげることができるのです。

仕入先を知れる

家具職人をやっていく場合、木材や金物等の材料の仕入れ先が必要になってきます。
その仕入先を知ることができます。

弟子入りしていたというブランドがつく

弟子入りしたということから世間一般的に、技術があるとみなしてくれる方が多いです。
実際、百貨店の催事出店をする時には催事担当者によっては、弟子入りが必須条件となっている方もいます。

個人工房に弟子入りするデメリット

ここまではメリットを話してきましたが、もちろんデメリットもあります。
そこで次はデメリットについてお話ししていきたいと思います。

給料が安く、休みも少ない

給料はめちゃくちゃ安いと思います(笑)
木工業界自体の給料が安いので、個人の工房なんて恐ろしく少ないです。
そして、休みも週休1日の所が多いでしょう。
給料の安さや休みが少なさで諦めるという方もいます。
特に子どもや奥さんがいる方だと現実的には厳しいのでしょう。

先輩がいない可能性が高い

職場には親方と自分だけということも大いにあります。
そうなると、親方との間のクッションになってくれる方もいませんし、全ての雑務をこなしながら業務を遂行するというかなりハードな仕事内容になります。
慣れるまではかなり大変だと思います。
職場に近しい年齢の人がいないので、わからないことを聞きにくいという結果にならないように注意してください。

筆者の弟子時代

弟子入りを考えている方の参考のために、私の弟子時代を簡単にお話ししてみたいと思います。

私は無垢家具の個人工房に弟子入りしました。

当時の工房は親方と親方の妹さん、自分の合計3人でした。
ここの親方は、自分が弟子入りするまで5人の弟子を取っていたので6番弟子と言う立ち位置になるのでしょう。

親方とは年齢が40才も離れており、工房には先輩もいなかったので、修行中は色々と苦労がありました。

年齢差から、ちょっとした事で質問したりするのが躊躇われたりもしてましたね。
そんな時は独立した兄弟子に話を聞きに行ったりとかで対処していました。

就業時間は8:30~17:30で、休日が月6日間と祝日でした。
残業は1日平均2時間くらいでしょうか。

仕事内容は、家具製造と百貨店での販売業務が主な仕事です。
家具は、椅子とテーブルをよく作っており、1週間の期間で月1回百貨店にて販売会をしていましたね。

私はこの百貨店販売で、同業者や個人事業主との繋がりを作っていました。
結構体力を使う仕事なので、慣れるまでは休日を1日寝て過ごす日々が続いてました。

こうして、一生懸命働いて手渡される給料はいかほどかと言われると、、、

月12万円でした。


ちなみに年金も保険もすべて自分持ちです。
残業代?
もちろん出ませんでした。
退職代行案件ですね(笑)

どうですか?
ちょっと弟子入りが嫌になったんじゃないですか?

給料に不満はなかったのかと言われると、不満はありました。
ただ、事前にこのことは説明はされていたので合意のもと入っていますし、過酷だとは思いましたが、自分の直観を信じて弟子入りしました。
そのためか、出会いにはかなり恵まれたと思っています。
また弟子入りというと1年くらいは掃除しているだけのイメージですが、私は数か月以内にスツールを1人で作らせてくれたりと他の工房に行くよりも木工ができた状況だったと思います。

まとめ

今回は個人工房への弟子入りについてお話ししました。
弟子入りをすることは簡単ですが、修業期間は厳しいものです。
しかし、それが目標に進む道であれば頑張ってみてもいいですし、自分には合っていないと思えば違う道から向かってもいいと思います。
またこれを読んで下さった方には、弟子入りしたい工房があるけど迷っているという方もいるのではないですか?
その工房でやりたいと思ったら連絡してみてはどうでしょう?
例え弟子入りを断られても、就活なんだから気にしないでいいです。

そして、別の会社に入ったからと言って再訪問したらダメなわけではないですし、同じ土俵に上がってから話を聞きに行くと逆におもしろいかもしれませんよ。
同業者は嫌がられるんじゃないのかと思うかもですが、丁寧に接すれば色々とお話ししてくれるはずです。
教えてくれなければ、そんなケチな人の弟子にならなくてよかったと逆に思いましょう。

ぜひ一歩踏み出してみてください。

この記事を読んで少しでもみなさんの参考になればうれしいです。

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