無垢家具職人を目指した時に最初に集める手道具とは?

独立

無垢材の家具職人を目指そうと思った時に手道具は何を集めればいいのか?
実際に現場で働く家具職人として紹介したいと思います。
当記事での手道具は電力を使わないものとしています。
また今回紹介するのは無垢の家具職人であるため、フラッシュ家具職人や建具職人、大工等とは異なってきます。

この記事を読むと、家具職人として独立する時の道具集めの参考になります。
また、家具職人がどういう場面でその手道具を使うのかが分かります。

必需品の手道具

家具職人に絶対必要な道具は次の通りです。

・平鉋
・鑿
・導突き鋸
・玄能
・スコヤ
・ノギス
・白柿
・鋼尺・メジャー類
・クランプ・端金
・砥石

上記は機械が揃っていても必需品となってくるものです。
簡単にそれぞれどういう時に使うのかを筆者なりに説明します。

平鉋

基本的には、超仕上げに通らない部材の仕上げや目違いを掃ったりする時に使用します。
また、ユニバーサルサンダーを当てることができなかった外Rの仕上げにも使うことがあります。
できれば寸八、寸二と大小2台は鉋を持っているといいですが、安くはないので自分の作る作品に合わせた大きさの鉋を選ぶようにしましょう。

角鑿で掘り残したホゾ穴や胴付きの調整に使用します。
かなり頻繁に使う手道具となります。
中古の工具屋でもよく見かけるので、安く手に入りやすいです。

導突き鋸

横切りや昇降盤があると、上記2つよりも出番は少なく、四方転び等の加工の時にしか使用しないかもしれません。
余談ですが、販売先で椅子の脚の調整を頼まれることがあります。
普段使ってないと、ちゃんと切れるかドキドキしながら切ることになります(笑)

玄能

ホゾを抜く際や、鉋・機械の刃を装着、木殺しの時に使用します。
柄を自分で買ってきて、好きな材木の柄にしている人も見かけたりします。

スコヤ

部材や手押しのかねを見たり、墨付けの際にも重宝します。
結構色んな場面で使えるので優秀な道具です。

ノギス

部材の寸法を正確に測るのに使用します。
目の悪い方や効率重視の方は電子ノギスを使うと便利です。
ちなみに、キホルダーサイズのかわいいノギスもあります。

白柿

綺麗に加工したい所は白柿を使って墨付けをします。
通しホゾのメスを角鑿で開けると、入り口が飛ぶこともあるので、白柿で深く墨付けしたりします。

鋼尺やメジャー類

寸法を測ったり、墨付けの際に使用します。
ホームセンター等で売っている鋼尺用のストッパーを併用すれば、ケガキゲージの様に使用して墨付けできます。
また、材の反りも見ることもできます。

クランプや端金

接着の際に使います。
大量に必要になってくるので、これを集めるのが鬼門となっています。
持っている量により、一日で接着できる量が変わってきます。
そのため、作品の製作日数や個数に大きく関わってきます。

砥石

鉋や鑿等の刃を研ぐのに使用します。
替え刃式を使っていくのであればいらないかもしれません。
筆者は、中砥、仕上げ、超仕上げの3種類を使って刃物を仕上げている。
人によっては仕上げまでしか使わなかったり、鉋刃以外は仕上げまでだったりと使い方は人それぞれです。
筆者はこだわりがないのだが、木工業界の人は砥石をこだわる人が多い印象です。

できればあるといい手道具

必需品ではないですが、あった方がいい道具になります。
これらがあると時短になったり、加工精度が上がります。

・反り・四方反り鉋
・南京鉋
・立鉋
・ストレートエッジ
・自由定規
・アサリ無・両刃の鋸
・万力

反り・四方反り鉋

座彫りや内Rの加工に使用します。
内Rはユニバーサルサンダーで加工します。
ただ初心者は加工に手こずるので、反り・四方反りを併用し、時短や加工精度をあげます。

南京鉋

反り・四方反りでは刃が当たらない程急な内Rや複雑な曲面の加工に使用します。
複雑な形の作品を作らないのであれば優先順位は低いと思います。
ちなみに筆者は持っていないです。

立鉋

鉋の台を調整する時や目違いが大きい時に使用します。
逆目がほぼでないので、初心者は天板を仕上げる時に使うと楽かもしれません。
必需品レベルの道具ですが、鉋の台はサンドペーパーと鑿で調整できなくもないので必需品から除外しました。

ストレートエッジ

鉋の下端を見るためのもの。
持っていない場合は、精度は落ちるが鋼尺や端材で代用できます。

自由定規

様々な角度の線を引けます。
墨付けは勿論、機械の刃の角度の指標にもなります。

ケガキゲージ

墨付けの線を綺麗に引け、扱いやすい定規です。
また、0.1mmまでメモリを合わせられるので精度のよい墨線が引けます。

アサリ無や両刃の鋸

荒切りや縦切り、ダボを切る際に使用します。
導突きだけでもできますが、時間や作品を傷つけるリスクを考えればある方がよいでしょう。

万力

材料を挟んで加工・接着の補助に使用できます。
作業台と一体型となっているものも見かけますね。

まとめ

家具職人に必要な道具は多くあるため、集めるのにお金がかかります。
また所持している機械によって、紹介した道具にプラスして購入する必要が出てきます。
そのため、道具を集める前に自分の作る作品とその工程をしっかり考えて下さい。

作るものによっては、紹介した道具の半分しか必要ないかもしれません。
しっかり取捨選択して道具を選んでいきましょう。

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